Report - イベント・レポート

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先日2012年2月18〜19日に「辺境的中心に生きる」シリーズvol.4「津屋崎ブランチ in Tokyo」が行われました。
福岡県は福津市・津屋崎から、津屋崎ブランチメンバーの皆さんがラ・ケヤキに「日常の暮らし」を届けに来て下さいました。平凡だけど、とても貴重で愛おしい、なんでもない毎日の大切さを伝えてくれました。
当日は2日間とも晴天で、訪れた方々は元気で明るい津屋崎の人柄と触れ合って笑ったり和んだりしながらゆっくりとした時間を過ごされていました。お持ち帰りいただけた「津屋崎らしい見方、考え方」も沢山あったようです。後日感想を沢山メールでいただきました。

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2日間とも「昼の部」として津屋崎ブランチ代表の山口覚さんがワークショップを行いました。二日目はワールドカフェ形式が取入れられ、大変な盛り上がりでした。1日目は「夜の部」も設け、辺境企画ではお馴染みの中川哲雄さんによる"津屋崎を語り"が催されました。

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「昼の部」のワークショップでは、「暮らしと仕事の見方を変える」をテーマに、個人や少人数で持っている知識や経験を、他人や別のグループと共有して共通点の多さと相違点の発見をして、その理由や思いつきを皆で話し合うという進め方で行いました。

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1日目は「過去と現在を振り返る」1960年から2012年まで、「ローカル」「パーソナル」、「グローバル」の3つのカテゴリーをみんなで埋めて歴史年表をつくりました。参加者20名程が思いつく歴史年表を書き出し、そこに見る私たちの過去と今を振り返り、未来をつくるベースとしました。フーチャーサーチと呼ばれるWSの手法で、山口さんが得意とするものです。
それぞれ皆生まれた時代も場所も違うので、自分だけの記憶の線から何本も交差したり距離が見えたりして三次元の空間で時系列が見えてきます。皆さんたくさんの発見があったようで、場は多いに盛り上がりました。

2日目は「未来」をテーマに「暮らすということ」を皆で考えるワークショップを行いました。ワールドカフェというワークショップの技法をつかい、ひとつのテーマについて個人ではたどり着けない深く多面的な思考過程を得ることが出来ます。「暮らすということ」。決して1つの答えというものはないので、出来るだけたくさん考えることが必要です。それを各自が表現することで、終わるころにはたくさんの思考を共有出来て、満足いただけたようです。
こうした議論でもなく、講義でもない、まとめる機会のない話合いでもないことを津屋崎ブランチでは頻繁に行っているそうです。彼らが何かをするとき、次の3つを守っています。
1.100年前でも通じること
2.100年後でも通じること
3.他の国でも通じること

一時的ではない、本質を理解して実行するために必要なこと。それは特別なことをするのではなく、日常にすでにあることに気づくこと、自分たちだけでなく、他の人たちにも出来ることをすること、を伝えています。
山口くんから聞いた言葉で印象的な事。「赤いふんどしをつけない」。昨今の街づくりで、「差別化」と言う言葉をよく聞きますが、そうではなく、普通のことを皆で共有する事の大切さを痛感させられる一言でした。1人勝ちすればいいわけではありません。みんなが、共に、少しだけよくなっていく。津屋崎では、そういう、小さくてもささやかな身の丈にあった成長が大事だと言う事に気づかされます。

また、話合いの場で重要な事は、未来の話をする、お互いを否定しない、断定しない。これは、彼らの「未来会議室」の基本理念だと言います。

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そんな津屋崎の人たちの日常の暮らしを、写真家の都郷なびさんが撮影した写真が会場に展示されました。

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丁寧に、でもざっくりとおおらかな作風の陶器の展示販売しました。
「むるぶし工房」のたにがわいちよさん、たにがわさやかさんによる作品です。
どれも温かみがあって使いやすく、イベント中にお配りした軽食や飲み物にも利用させていただきましたが、たいへん好評でした。

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イベントの軽食で出たスイーツやご飯は、1日目をたにかわいちよさんが、2日目は「食堂たねの木」の都郷なびさん(写真家としても活動)が用意してくださいました。これも、日常の延長線上に洗練を加えた、心温まる美味しさでした。
『メニューのおさらい』
18日昼:オレンジビール、紫花豆、紫いものチーヅケーキ、珈琲、紅茶
18日夜:トムヤククン、クリームチーズの和え物を詰めたナゲットパン、卵と野菜のピクルス
19日昼:おやつ3種盛り(じゃがいも餅、金柑の甘露煮、大豆といりこの飴煮)

18日の「夜の部」では一夜限りの津屋崎物語を「辺境的中心に生きる」シリーズでは恒例となる中川哲雄氏がみごとに語り尽くしました。毎回短時間でも準備にもかかわらずの仕上がり具合に脱帽です。

2日間とも参加者と津屋崎の方々が楽しく交流できた素敵なイベントとなりました。
参加された方々、津屋崎から来て下さった津屋崎ブランチの方々、みなさまのお陰で素晴らしい会となりました。心より感謝致します。ありがとうございました。またぜひ、ラ・ケヤキに遊びにきて下さいね。

★西日本新聞に山口覚さんのコラム記事が掲載されました。
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2017年4月24日 更新

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