「海苔に巻かれた寿司宇宙」が渋谷でも

たまちゃんの巻き寿司が「アツコバルー」に登場!
都築響一さんのメールマガジンで取り上げられた驚異的な巻き寿司作家、清田貴代さん、通称たまちゃん。都築さんの記事に詳しく書かれているので一部を文末に掲載させていただきます。


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最近はやりのデコ弁とはちょっと違う凄味のあるアートです。新宿3丁目のバーで出会った彼女は「私の巻き寿司は俳句のようなもの、その場所やその日の気分で即興で作るから。」と言う。ますます興味ある作家です。こんなに素晴らしいのに口に入れて噛んでつぶしておなかの中に消えてしまう。花火のように、桜のお花のようにいとおしく感じます。
その巻き寿司のデモンストレーションと自分で作っちゃうワークショップを開催します。


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渋谷のライブハウスサラヴァ東京の5階に新しくできたアートスポット、アツコバルーにて。
5月3、4、5日 15時からデモンストレーション 16時から17時まで実習
今回はドクロを作ります。
材料費込みで3500円、エプロンを持ってきてください。今回のワークショップは大人編です。小さい子供の場合は保護者がついていてあげてください。
人数が限定されるので予約してください。

ここに書ききれなかった、それぞれの作品を巻いたいきさつ、テーマにした作品解説など満載なので、こちらのブログもぜひチェックを!
たまちゃんのにっこり寿司

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このイベントは段ボール作家の本濃研太さんの個展「先進国無能会議 渋谷にて開催」期間中、同じ会場で開かれます。

実はたまちゃんにやっていただく話が先にあって、何かもう一つ、彼女と共通項のある作家の展示をしたい。と考えておりました。デコ弁かな? いやしかしフードアートではお互い殺しあってしまうのでは、と考え、たどり着いたのが手仕事。という共通点でした。普段日常の中にいくらでもある平凡な素材から自分の世界を作る。という、ケからハレへ、平凡から非凡へという私の大好きなテーマでこの2名の作家にお願いすることにしました。本濃さんの紹介は次回のブログで書きます。

予約は以下の電話かメールでお願いします
【アツコバルー】


以下、都築さんの記事です

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ノリに巻かれた寿司宇宙

「デコ弁」が流行っているらしい。僕がもし小学生で、母親が忙しくて白飯にハンバーグ乗せただけ、みたいな弁当しか作ってくれなかったら、恥ずかしくてみんなの前でフタ開けられないくらいに・・・いまのお母さんは大変だ。

雑誌やネットで見るデコ弁は、たしかにものすごく凝った出来で、芸術的とさえ言えるものもある。下手したら「これもクール・ジャパン」とか文科省が売り物にしちゃいそうな。パンにピーナツバター塗るか、ハム挟んだサンドイッチをジップロックに入れただけ、みたいなランチで親も子も満足してる外国人にとっては、はるか想像の彼方にある東洋の新たな神秘、それがデコ弁なのだろう。


でもデコ弁って、なんかイヤだ。がんばってるお母さんにこんなことを言うのは大変失礼だけど、弁当ってそんなに気合い入れるべきものだろうか。前夜の余り物を詰め込むぐらいがちょうどよくて、それをガガッと最短時間で掻き込んで、急いで運動場に飛び出していくのが子供なんじゃないかという気もする。デコがデコデコになって、デコデコデコになって・・・そこに見え隠れするお母さん同士の意地の張り合い。子供にデコ弁をつくるお母さんは日本中にいるけど、旦那さんに「オトナのデコ弁」をつくってあげてる奥さんは、どれくらいいるだろうか。


清田貴代さん(通称・たまちゃん)はイラストレーターが本業だが、「巻き寿司アーティスト」でもある。ノリにおおわれた真っ黒の巨大なカタマリを俎板に置いて、おもむろに包丁を入れると・・・あらわれるのが見事なモナリザだったり、阿修羅だったり、ハダカの女だったり、果てはウンコだったり! それがまた単に金太郎飴のように「どこを切っても同じ柄」なのではなくて、切る場所によって微妙に絵柄が変化したりもする。

デコ弁と同じようでいて、実は正反対にあるテイスト。食べ物が「見世物」にもなっていて、それを食らうことの楽しさと不気味さを完璧に理解していて。かわいさを装いながら実はダークな食物芸術世界。それがたまちゃんの巻き寿司アートなのだ。

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