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2013年2月 9日 更新

「ウエアハウス」がやってくる

「マナブはぴったりだったわ、キョーコは私がイメージしていたのと少し違う感じ」
『鈴木勝秀(suzukatz.)-130115/セルロイドレストラン』の終演後、プリントアウトした上演テキストを手にして話すお客さんがいた。インターネットからダウンロードした上演テキストを読んだときに彼女の中に現れたキョーコ、そしてサラヴァ東京では別のキョーコがいた。どちらもキョーコ。ストーリーやセリフの断片に自分を重ね合わせる人、役者の声と存在感に酔う人、音楽がかっこよかったという人、もれきこえてくる反応はさまざま。

そこそこ高いお金を出して有名な俳優たちを生で見るとき、おのずと「これはとてもすばらしい作品〈にちがいない〉」「私は感動する〈ことになっている〉」、そんなつもりが心のどこかにあったりしないだろうか。高いワインなんかもしかり。これはおいしい〈はず〉、と思いこんで口にしてたり。

サラヴァ東京での「鈴木勝秀(suzukatz.)」シリーズは2,500円、1ドリンク付き。これくらいの気分で観にきてほしいから、この値段。受け手は"感動しなくちゃ損"、なんてケチなことを考えずにその場にいる。そしてその場で起こることが、自分を構成している何か、経験だったり、興味や関心、そのときの気分や状況、の何かに響く。あるいはまったく何もかすらない、という場合もあるだろう。その場にいる人の数だけ物語が生まれる。そこにこそ、「鈴木勝秀(suzukatz.)」をサラヴァ東京で続けていくおもしろみ、期待があると思っている。

さて。次回は「ウエアハウス」。
「ウエアハウス」というのはスズカツさんが1993年(20年前!)から数回にわたり行ってきた実験的な作品のタイトル。エドワード・オールビーの「動物園物語」がベースになっている。演劇なのかライブなのか、音楽なのかノイズなのか。シカゴにあったディスコクラブ「ウエアハウス」に現れたDJフランキー・ナックルズが、ハウスミュージックの創始者とされていて、「ハウスプレイ」(造語?)を意識したことにこのタイトルは由来している、と当時の資料にある。これまでに参加してきたメンバーは、佐藤誓、松重豊、横川理彦、久松信美、大石継太、巻上公一、篠井英介、伊藤ヨタロウ、戸川純、田中哲司、田口トモロヲ、吉田朝、修健、井上慎一郎、藤本浩二、ライオン・メリー。そして2011年秋に橋爪功、金田明夫ら演劇集団円とともにストレートプレイ「ウエアハウス」がシアタートラムで上演された。サラヴァ東京ではこれを二人用のテキストに書き直したものをやる。出演は田口トモロヲとヨシダ朝に決まった。前嶋康明の演奏(ピアノ)が入る。
【3月13日(水)鈴木勝秀(suzukatz.)-130313/ウエアハウス】

時を変え、場所を変え、人を変え、カタチを変え、そのすべてが「ウエアハウス」、鈴木勝秀構成・演出の世界。またひとつ、スズカツさんとサラヴァ東京と、その場にいた人全員に物語が刻まれる瞬間となる。

2年前、オープンしたてのサラヴァ東京で私はひとりで「ここはスズカツさんがウエアハウスをやる場所だ」と思った。ここでウエアハウスをみたい、と思った。緊張と高揚、集中と開放、心の隙にあたたかいものがすっとしみる瞬間。そんな感覚が好きで、スズカツ作品を見続けている。あれ、もしかしてこれってまんまとスズカツ・ドラックにはまってしまった中毒患者?(倉本芳美)

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