2015年4月 1日 更新

Front Drawing 距離と時間と風を見る絵

アンヌ・レニエル
Anne Leigniel
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今週の日曜日まで開かれているフランス人女性アーチストの展覧会が面白い。
駒込駅からすぐの静かな通り、東京スタデオの1階に天井の高い美しいギャラリーある。天井が高くほとんど立方体に近い白い空間。
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アンヌ・レニエルはこの何年間旅ばかりして来た。香港、東京、バリ、ベネチア、ジャカルタ、ロンドン、フランスの生まれ故郷、オクセール。クルマの助手席にスケッチブックをペンを抱えて、車窓に映る,というかぶっ飛んでいく風景を超スピードで描きためた。その集積を天井までいっぱいに展示してある。何千キロメートルの距離と時間がそこには込められている。
一枚づつ見て行くと、下には小さく描かれた道のりが書いてあるので,なるほど、香港には直線が多い、とかバリ島にはフリーハンドでちらちら揺れる線,これは植物?森かな。と何となく分かってくる。「ほとんど何も描いていない絵はあっという間に着いたから?」「いいえ、これはスイスの山で深い霧だったから。」と、天候やよる昼の光も関係してくる。ヴェネチアのヴァポレットからの絵は道がない。もちろん、海には道路がないからね。

抽象画とも言えるし具象的でもある。細い線が見ているうちに立体になって来るから面白い。立体になって町や森の道が復元してくる不思議さを味わえる。

考えずに、ひたすら飛んで行く景色を描き続けた結果、どこかでアールブリュット的な一所懸命さがあると同時に不思議なことにはコンテンポラリーアートのコンセプトにも取れるのでああ、こういう見方のできるのかと納得する。しかしコンセプトだけの退屈さがない。考えていないからよい。
本人はどうぞコンセプトを作ってください。いくらでも理屈は付けられるから。でもこれを描いていたときの私の爽快感は理屈ではないし、とても肉体的だったのです。それが大切だと思います。と言う作家。そうだ、絵画は肉体運動である。と言うことを忘れてはいけない。

とても気持ちのよいドローイングである。私は一枚購入して我が家の壁にかけている。風がたっぷり入った絵である。

展覧会の情報:豊島区駒込1−14−6 株式会社東京スタデオのビルの1F
4月5日まで毎日12時から19時まで作家も毎日居ります
Anne Leigniel Gallery Komagome1-14cas 27th March

Anne Leigniel FB:https://www.facebook.com/anne.leigniel?ref=ts&fref=ts


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潮田 バルー あつ子
アツコ・バルー
Atsuko Barouh

ラミュゼ主宰 / 通訳・翻訳家


ラミュゼ主宰。パリ第五大学人類学科卒業。フランスのインディレーベル『SARAVAH(サラヴァ)』の運営に1988年より関わる。2002年『L'amusée(ラミュゼ)』設立。滞在型イベントハウス『ラ・ケヤキ』(2003年)、ライブハウス『サラヴァ東京』(2011年)につづき、アートスペース『アツコバルー arts drinks talk』(2013年)をオープン。渋谷を拠点に文化の交流と発信に情熱を傾けています。

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