アツコバルー ATSUKOBAROUH arts drinks talk

current 2015.09.05 Sat - 10.11 Sun

絶対の今 ~なぜ・いま・ZENと映像なのか?~

absolute now

2015.09.05 Sat - 10.11 Sun
Wed - Sat 14:00 - 21:00
Sun & Mon 11:00 - 18:00 
closed on Tue

¥500 (includes a drink)

jikan towa?

「時間というは刻々に移りゆくもの、しかしこの移りゆくということのほかに時間はないのである。時間という言葉は、概念的で、抽象的で、それに対する実体はない。実体はただ移りゆくということ、そのほかには何もない。移りゆくということも、事実の上でいい得ることか、それもわからぬ。移るというと、何か移るものがあるように考える。しかしそんなものがあるとすれば、それは何か、その実体を捉えるわけにゆかぬ。」

「人間の考えというものは、二つのものが相対していないと出てこないのである。一つだけだと、何も考えるなどということはない。すなわち移るということと、移らぬということ、いいかえれば、永遠と転移との二つを対照させて、はじめて刻刻に移る時間と、少しも変わらぬ永遠とが考えられる。」

「最後の解決は、瞬間が永遠で、生と死そのものが涅槃で、この世がそのままで楽土であるということでなくてはならぬ。移りゆく時間、そのほかに永遠はない。永遠は絶対の今である。」

鈴木大拙「時間と永遠」より抜粋


「絶対の今」は日本の禅文化を世界に知らしめた仏教学者、鈴木大拙が晩年の著書『東洋的な見方』で謳う「時間と永遠」の関係を起点としたグループ展です 。

「時間と永遠」で鈴木大拙は、 無常である時間のもう一つの面として永遠が共存するといいます。そして瞬間が永遠であり、永遠が「絶対の今」であるといいます。したがって移り行く時間は複数の「絶対の今」から成り立つものではないでしょうか?

動画は複数の静止画によって構成され、時の移ろいを表現する映像メディアです。英国からの4人と日本からの2人のアーティストたちがそれぞれヴィデオやフィルムといった映像メディアを使用して制作した新作を発表します。

ガイ・シャーウィン:イギリスの実験映画界を代表する映像作家 
ジョージ・バーバー:1980年代に英国で生まれたヴィデオ・アート・ムーブメントであるスクラッチ・ヴィデオのパイオニア、現在も多彩な手法を駆使した作品で活躍している 
テレザ・ステリコヴァ:ヴィジュアルとオーディオを通じて感(知)覚を探究する映像作家 
Kaz:時間を体験型作品等を利用して探索する在英生活の長い日本人作家 
河合政之:日本をはじめ海外でも積極的な活動をしているヴィデオ・アーティスト
赤塚りえ子:様々なメディアを使用して内なる風景を描出する作家


西洋の描く美術史には日本は出てこない。しかし20世紀以降の美術は禅なしには語れない。1950年以降、鈴木大拙等によってアメリカに渡った禅宗が多くのアーチストのみならずスティーブ・ジョブスやジョン・ケージにも影響を与えた。私も道元の言葉「隠れたところに美しさを、外面は質素に」はアートの本質だと思っている。渋谷の街を見ていると、御本家の人々は禅に一番遠いようにも思える。だからこそ、今回時間と言う本質的な問題に挑戦したヴィデオアート展をやる事に大きな意義を感じる。

アツコ・バルー

Curated by | Kaz

Supported by
 | British Council

Event

イベント

◉9月5日(土) : 19.00 - 21.00 入場無料
オープニング・レセプション

◉9月6日 (日) : 19:00 - 20:30 ¥1000 (includes 1 drink)
ジョージ・バーバー:スクラッチ・ヴィデオ+その他ヴィデオ作品の上映。
1980年代に英国で発祥したテレビや映画等からの映像を使用してそれらを編集し直すことによってクリップの本来の商業的な目的とは異なった新しい意味を持たせる手法が作品の特徴であるスクラッチ・ヴィデオのパイオニア。現在でもロンドンのWaterside Contemporaryに所属するアーティストとして活発的に多彩な手法を利用した制作活動を続けています。
・初期から現在までのヴィデオ作品の上映
TIlt, 1983/Branson, 1983/Absence of Satan, 1985/2001 Colours Andy Never Thought of, 1996/Upside Down Minutiae, 2001/Shouting Match (UK), 2014/Shouting Match (India), 2010/Automotive Painting, 2007/Welcome, 2008/Freestone Drone, 2013/The Very Very End, 2013
全作品日本初公開 (約75分)+質疑応答

◉9月10日 (木) : 19:00 - 20:30 ¥1500 (includes 1 drink)
ガイ・シャーウィン:16mmフィルム・ライブ・パフォーマンス+フィルム作品の上映。
多くの影響力のある実験映画作家を輩出したLondon Film Makers’ Cooperative(現在はLUX)のメンバーとして1970年代に台頭したフィルム・アーティスト。現在でも活発的に活動しており、 実験映画界では重要な作家として評価されています。 動画フィルムというメディアの根本的な要素である光と時間を作品のテーマとしており、このメディアの構造を利用してこれらのテーマを探究しています。
・Paper Landscape, 1975/2015
16mmプロジェクション・パフォーマンス
・10分休憩
・16mmプロジェクション
Flight, 1994/1998 /Prelude, 1980/1996 /Barn, 1978 /Metronome, 1978 /Tree Refleciton, 1997/1998
Night Train, 1978 / Swimming, 1977 / Tap, 1978 /Cycle, 1978
・10分休憩
・Man with Mirror
16mmプロジェクション・パフォーマンス
約80分(休憩も含めて)+質疑応答

◉9月13日 (日) : 15:00 - 16:30 ¥1500 (includes 1 drink)

テレザ・ステリコヴァ:感(知)覚ワークショップ (要予約)
テレザ・ステリコヴァはアーティスト活動の一環として「感覚の記憶」と「身体的経験」を探究する参加型ワークショップを、英国をはじめアイスランドや中国などで開催してきています。
今回は、身体に蓄積されている記憶や感覚を呼び起こすワークショップとなり、参加者には、記憶や思い出のつまった食べ物、及び、物をそれぞれ一つづつ持参して頂く形式となります。それらを参加者同士で、触り、食べ、観賞し、感性を開いてゆきます。
ステリコヴァが「絶対の今」展をきっかけに出会ったアツコバルー・スタッフの平松麻がガイドをつとめます。ステリコヴァのチェコと英国の感性や知識と、平松がもつ伝統的な日本美術や茶道などの知識を通じて、西洋/東洋という観念をも問います。ダイアログ形式で進めてゆきますのでどうぞお気軽にご参加ください。
ステリコヴァが今回、チェコから持って来たミード(蜂蜜酒)や純粋なオーガニック・ハニーをワークショップで使用する他、参加者全員でシェアするちょっとしたサプライズもあります。
過去のイベントからの記録ヴィデオ
90分

◉9月19日 (土) : 19:00 - 20:30 ¥1000 (includes 1 drink)

赤塚りえ子:アーティスト・トーク『アート、ジャジューカと今』
2001年、ロンドンのゴールドスミス大学のファインアート科を卒業後、主に立体作品を制作しながら、ひたすら「今」を追求する赤塚りえ子。このイベントでは、作品創作の背景や裏話などに触れながら、今までの主な作品を紹介していきます。そして、両親の死をきっかけに出会ったモロッコのThe Master Musicians of Joujouka(ザ・マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカ)による千年以上の歴史をもつ音楽についても語ります。究極のトランス・ミュージックとも言えるジャジューカは、以後、赤塚に多大な影響を与えています。日本の座禅と方法は違いますが、目指すところは同じ。年に一度開催されるジャジューカ・フェスティバルで本人が撮影した貴重な映像も上映します。
赤塚さんのジャジューカレポート↓
http://www.ele-king.net/columns/003236/

◉9月25 日(金) : 19:00 - 20:30 ¥2500(お茶付)
藤田一照:「禅とアート」 トーク +座禅会 (予約受付中)
日本の文化と深い関わりのある禅とはなんでしょう?そして、ふだん議題にあがることの多い「禅とアート」の関係性とは?その問いかけを解説してくれるのは、17年間アメリカに住み、座禅を指導してきた禅僧の藤田一照さん。国内外からの視点で禅を見る藤田さんには、時間の概念、今の日本、そしてバーチャル・リアリティー等といったテーマにも触れていただきます。
今回は、禅においてキーポイントのひとつである座禅をご指導いただきます。トークと座禅がセットになったこの貴重な機会をお見逃しなく!
初心者の方にも判りやすい内容となりますので、少しでもご興味がある方は是非参加してください。

◉9月26日 (土): 19:00 - 20:30 ¥1000 (includes 1 drink) 

Kaz:ヴィデオ作品の上映
キュレーター/アーティストとして「絶対の今」展に参加しているKazは、ヴィデオインスタレーションを展示。ヴィデオは、過去から現在、そして未来へと移っていく線形時間(タイムライン)の概念を表現するメディアです。過去と未来があってこその今という時間に、自分というアイデンティティーが存在することが可能です。時間が、過去→現在→未来、のように順に流れていく特徴のヴィデオを軸にしながらも、必ずしもいつもその順を辿るわけではない時間の可能性を探求します。今回は、日常の風景を利用した初期から現在までのヴィデオ作品の上映となります。

◉10月1日 (木) : 19:00 - 20:30 ¥1000 (includes 1 drink) 

河合政之&浜崎亮太:ヴィデオ・フィードバック・パフォーマンス+作家を囲んで呑む会
大量のアナログなヴィデオ機材の信号を暴走させ、リアルタイムでサイケデリックな映像と音楽を作り出すヴィデオ・フィードバック・ライヴ・パフォーマンス。約30分。

profile

参加アーティスト

赤塚りえ子 | 
映像を利用したスカルプチャー

ジョージ・バーバー 
 | 
映像作品

河合政之 | ヴィデオ・ノイズ

Kaz | 体験型ヴィデオ・インスタレーション

ガイ・シャーウィン | 
16mmフィルム・インスタレーション

テレザ・ステリコヴァ| 映像作品


'Time keeps on changing and it does not exist in any other way than to keep on changing. The word 'time' is conceptual and abstract. It has no substance. It does nothing but to simply keep on changing. Whether time changes continuously is a fact or not is also uncertain. When one says it changes, it is thought that there is something which changes. However, If there is such a thing, it is impossible to grasp what 'it' is.'

'Human thoughts only come about when there are two opposing things. If there is just one thing, thought does not arise. In other words, when you place change in opposition with something fixed, or eternity with transition, it is possible to consider ever-changing time along with eternity, which does not change one bit.'

'In the end, it must be that a moment is eternity, and life and death themselves are Nirvana, and this life itself is paradise. Eternity does not exist anywhere but in shifting time. Eternity is absolute now.'

Excerpts from Time and Eternity by D.T. Suzuki


'absolute now' is a group exhibition which takes the essay, Time and Eternity by D.T. Suzuki (see left), as a starting point to examine the universal concept of time and its relationship to eternity.

The essay is from the book, Oriental Point of View. Suzuki, who
introduced Zen Buddhism to the world, spent many years living in the West. The essays in the book examine Japan and its culture from an objective viewpoint, with the author's wish to introduce valuable and positive aspects of Japan and the Orient.

In Time and Eternity, Suzuki concludes that 'eternity is absolute now' and that 'a moment is eternity'. If this is so, we can stipulate that
shifting time is made up of multiple absolute nows.

The medium of moving image is structured from multiple still images over time to create an illusion of movement. In this exhibition, four artists from the UK and two from Japan will each present a new work which makes use of the moving image, such as video and film.

Guy Sherwin - a leading exponent of the experimental film movement in the UK
George Barber - an influential British video artist with a wide range of contemporary work
Tereza Stehlíková - examines role of embodiment within audio-visual practice
Kaz - explores the notion of time, often through experiential installations
Masayuki Kawai - one of the leading video artists in Japan
Rieko Akatsuka - her works depict inner lanscapes through variety of media


Japan does not feature in the history of art as depicted by the West. But, art since the 20th century cannot be discussed without Zen.
Zen travelled to the US after the 1950s through efforts of Buddhist
teachers such as D.T. Suzuki. As well as influencing many visual artists, Zen also touched people like Steve Jobs and John Cage. 'Let the
hidden areas be beautiful. Keep the outside simple'. I think these words by Dogen describe the essence of art. From what I see on the streets of Shibuya, it seems that people from where it all started are now, possibly the furthest away from it. I feel it is important to present this exhibition of moving image art which tackles the essential issue of time.

Atsuko Barouh

Curated by | Kaz

Supported by
 | British Council